光回線の種類
2018年3月末に固定系ブロードバンドの契約数は3,935万件となっていて、FTTH(光回線サービス)の契約数は全体の77%、3,030万件になります。
インターネット回線の主流となっているFTTH(光回線サービス)ですが、いくつか種類があるのはご存知でしょうか。
光ファイバーを保有している通信事業者、回線設備の開設・運用している通信事業者、回線設備を開設・運用しないでサービスを提供している通信事業者など、細かく分類していくとキリがありませんが、光回線は大まかに4種類に分類する事が出来ます。
- フレッツ光
- 光コラボレーション
- ダークファイバー
- 独自回線
4種類の光回線の特徴やメリット・デメリットを把握する事により、自分に合った光回線を選ぶ事が出来ます。
ここでは、インターネット回線の契約を検討しているけれど、どの光回線を契約すればいいか分からない方の為に、4種類の光回線の違いを分かりやすく説明していきます。
是非とも最後まで目を通して、インターネット回線を選ぶ際の参考にしてください。
フレッツ光
フレッツ光とは、通信事業者の最大手であるNTT東日本・西日本が提供する光回線の名称です。
提供エリアは北は北海道、南は沖縄県まで、日本全国をカバーしています。
2018年3月末にFTTH(光回線サービス)市場は3,030万件となっていて、NTTの光回線(フレッツ光および光コラボ)の契約数は全体の67.7%、2,053万件になります。
フレッツ光だけでも全体の31.1%、941万件とシェア率No.1を誇ります。
独占禁止法に抵触する事を避けるために、プロバイダに関してはNTT東日本・西日本は提供しておらず、他社が運営するプロバイダと別途契約をする必要があります。
光コラボレーション
光コラボレーションとは、2015年2月1日に提供開始された、NTT東日本・西日本が提供しているフレッツ光を様々なサービス提供事業者(光コラボレーション事業者)に卸売りをし、フレッツ光の速度と品質が維持されたまま各事業者が独自のサービスやセット割などを付加した光回線です。
これまでは、NTT東日本・西日本が独占して光回線(フレッツ光)を提供していた為に、様々な事業者と比較して契約を検討することは出来ませんでした。
しかし、光コラボレーションの解禁により、光回線を契約する際には、NTT東日本・西日本が提供するフレッツ光だけでなく、光コラボレーション事業者が提供開始した独自のサービスやセット割などが付加された料金プランと比較して選べるようになりました。
2018年3月末の光コラボレーションの総契約数はFTTH市場全体の36.7%、1,112万件で、NTT東日本・西日本の光回線の54.2%を占めています。
光コラボレーション事業者は600社を超えていて、代表的な例として、『ドコモ光』や『Softbank光』が挙げられます。
NTTドコモとソフトバンク、携帯電話の2キャリだけで光コラボレーションの総契約数の7割近くを占めています。
付加サービスの中でも、特にお得になるのがセット割です。携帯電話割引がある光コラボレーションと契約することで、月々の携帯電話の料金まで安くなります。
また、フレッツ光を利用中の方は、「転用」手続きをするだけで利用環境を変更することなく光コラボレーションに移行できます。
ダークファイバー
ダークファイバーとは、電気通信事業者や鉄道事業者等が敷設している光ファイバーのうち、利用されていない予備の線のことで、光信号が疎通していない状態「ダーク(暗い)」に由来します。
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供している『NURO光』は、2001年に施行されたNTT東日本・西日本に対するダークファイバーの開放義務付け制度を利用してサービスを提供しています。
同じ光ファイバーであるフレッツ光とNURO光で、下り速度の最大値だけでなく実際の速度の評判でも大差があるのはなぜでしょうか。
分岐する機器や技術の違いは多少なりともありますが、最大の要因は契約世帯数の差にあります。
フレッツ光の場合、NTT局内で最大速度1.25Gbps。
そこから局内スプリッタで4分岐、局外スプリッタで8分岐され、最大で1.25Gbpsを32世帯で共有することになります。
同時利用する可能性が高い夜の時間帯や土日祝日に速度が極端に下がるのは当然の結果なのです。
それに対して、NURO光の場合は、契約数が伸びているといっても近隣で何世帯も契約している可能性は低く、最大2.5GbpsをNTT網の半分である16世帯で共有するため速度が安定しているのです。
独自回線
独自回線とは企業が独自で光ファイバーを敷設している回線のことです。
- 日本電信電話(NTT)
- 日本国有鉄道(現JR)
- 日本高速通信株式会社(現KDDI)
- 旧一般電気事業者10社(北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)
などが自社で光ファイバーを敷設しています。
これら事業者は基本的には自社のインフラ整備のために敷設していますが、株式売却や一部事業譲渡により他社がサービス提供したり、関連子会社が地域限定で光回線のサービスを提供しています。
独自回線の中で、個人へサービス提供しているのが
などの電力系通信事業者が殆どである事から、独自回線の事を電力系とも呼びます。
KDDIが提供するauひかりは、東京電力の通信事業撤退に伴い、TEPCOひかりの統合と共に東京電力から借用する事になった光ファイバー網と、NTT東日本・西日本から借用しているダークファイバーでサービスが提供されています。