通信速度は上り下りどれくらいあればいい!?

インターネット回線を選ぶ際に気になるのは通信速度と月額基本料金です。

 

最大通信速度はインターネット回線の種類や契約プランにより大きく異なります。

 

どれくらいの通信速度があれば快適にインターネットを利用する事が出来るのでしょうか。

 

インターネットの利用目的ごとに必要な通信速度やデータ通信量が分かれば、契約すべきインターネット回線の種類や契約プランも分かります。

 

ここでは、通信速度にまつわる基礎知識や利用目的別に必要な通信速度の目安をご紹介していきます。

 

是非最後まで目を通してインターネット回線を選ぶ際の参考にしてください。

データ通信量と通信速度

快適にインターネットを利用するのに必要な通信速度を考える前に、まずはデータ容量と通信速度についてご説明していきます。

 

1ヵ月間に使えるデータ通信量に制限がない光回線を提供している通信事業者のホームページでは最大通信速度が大々的にアピールされています。

 

通信事業者やプランにより最大通信速度は異なりますが、GbpsやMbps、kbpsと言った単位で表現されています。

 

一方で、1ヵ月間または3日間に使えるデータ通信量に制限があるWiMAX、PocketWiFi、LTEを提供している通信事業者のホームページでは最大通信速度の他にデータ通信量に関しても様々な数値が記載されています。

 

データ通信量は、GBやMB、KBと言った単位で表現されています。

 

データ通信量と通信速度は、全くの別物と考えている方が多いかと思いますが、このふたつは切り離せない関係にあるのです。

 

データ通信量とは!?

データ通信量とは、インターネットの閲覧、メールの送受信、アプリのダウンロード、動画を視聴する際のデータの容量の事です。

 

半角英数文字1文字のデータ容量が「1バイト」に相当します。

 

コンピューターの世界でデータの容量を表す最小単位として「bit(ビット)」が使われています。

 

8bit=1Byte(バイト)
1024B=1KB(キロバイト)
1024KB=1MB(メガバイト)
1024MB=1GB(ギガバイト)
1024GB=1TB(テラバイト)

 

それぞれ1024倍すると単位が変わっていきます。

 

国際的に定められた世界共通の単位系である国際単位系では、それぞれの単位の頭に「K(キロ)」「M(メガ)」「G(ギガ)」を付ける事で1000倍、100万倍、10億倍・・・という意味になります。

 

しかし、コンピューターの世界は、0と1を使った2進数の世界です。

 

国際単位系で用いられている1000倍(10の3乗)ではなく、1024倍(2の10乗)で単位が変わっていくのです。

 

通信速度とは!?

通信速度とは、電話回線やLANケーブル、無線などを通じて、どれだけの速さでデータを送受信できるかを表す指標の事です。

 

1秒間に送受信できるデータ容量を通信速度として表し、数値が大きくなる程、通信速度は速くなります。

 

通信速度は「bps(Bit Per Second)」ビット毎秒という単位が使われます。

 

通信事業者がインターネット回線の最大通信速度を記載する際にGbps、Mbps、Kbpsなどの単位を用いるので目にした事がある方も多いのではないでしょうか。

 

1000bps=1Kbps(キロビット毎秒)
1000Kbps=1Mbps(メガビット毎秒)
1000Mbps=1Gbps(ギガビット毎秒)
となります。

 

ビット毎秒は、ビット/秒、bps、b/sといった、複数の記載方法があります。

 

日本ではbpsと記載する事が多いですが、英語圏ではb/sと記載する事が多くなっています。

 

データ容量と通信速度の関連性

これだけでは、データ容量と通信速度の関連性が分かりにくいので、例を挙げて説明していきます。

 

マンションやアパートなどの集合住宅によく導入されているVDSL方式の光回線の最大通信速度は100Mbpsになります。

 

100Mbps=12.5MB/秒

 

1秒間で12.5MBのデータ容量を送受信できるという事になります。

 

12.5MBのデータ容量とはどれくらいなのでしょうか。

 

半角英数文字に換算すると13,107,200文字、日本語などの全角英数文字に換算すると6,553,600文字になります。

 

日本人が1分間に読める文字数が400文字から600文字と言われているので、1週間不眠不休で読み続けても読み終わらない文字数を1秒間で送受信出来るのです。

 

写真、音楽、動画の場合は長さや画質によって大きく異なりますが

  • テキストファイル=1KBから100KB
  • 写真=3MBから30MB
  • 音楽=3MBから30MB
  • 動画=10MBから5GM

が一般的なデータ容量になります。

 

また、CDやDVD、USBやハードディスクなどの記録媒体は用途に応じて様々な容量が取り揃えられています。

  • CD=700MB
  • DVD=4.7GB
  • DVD2層=9.4GB
  • Blu-ray=25GB
  • Blu-ray2層=50GB
  • メモリーカード=2GBから64GB
  • USBメモリー=4GBから64GB
  • ハードディスク=160GBから3TB

が一般に流通しているデータ容量になります。

 

大容量の記録媒体は全データを送受信するのに10分以上かかりますが、テキストファイル、写真、音楽といったデータ容量が少ないものは数秒あれば送受信が完了してしまいます。

 

上り・下り通信速度とは!?

通信事業者のホームページでは、上り通信速度や下り通信速度といった表記をよく目にすると思います。

 

上り下りとは、送受信の事を指しています。

 

上り通信速度は、データを送信する際の速度の事で、メールの送信、YouTubeへの動画のアップロード、Instagramへの投稿などに係わってきます。

 

下り通信速度は、データを受信する際の速度の事で、インターネットの閲覧、アプリのダウンロード、YouTubeの動画視聴などに係わってきます。

 

日常生活でインターネットを利用するうえで重要になってくるのは下り通信速度になります。

  • インターネットの閲覧でページの読み込みが遅い
  • YouTubeの動画を視聴している際に途中で止まってしまう
  • アプリのダウンロードがなかなか完了しない

など、よくあるイライラの原因は下り通信速度が遅い為です。

動画配信サービスに必要な通信速度

多くの動画配信サービスでは、SD画質やHD画質だけでなく、フルHDや4Kにも対応してきています。

 

高画質の配信動画を視聴する際には高速なインターネット回線が必要であると考えている方もいらっしゃるかと思いますが、高画質の動画も低画質の動画も、必要な通信速度に大差はなく、大きな差が出るのはデータ通信量になります。

 

それでは、動画配信サービスは、どの程度の通信速度があれば快適に視聴出来るのでしょうか。

 

Hulu

Huluで配信作品を快適に視聴するためには3Mbpsから6Mbps以上が推奨されています。

 

  • パソコン:6Mbps以上
  • スマートフォン/タブレット:3Mbps以上
  • テレビ/ブルーレイプレーヤ/ゲーム機/メディアプレーヤー:6Mbps以上

 

画質はフルHDに対応しており[低][中][高][最高]の4種類が用意されています。

サイズ 画質 画素数
SD 360p
ハーフSD 540p
HD 720p
最高 フルHD 1080p

 

パソコン、または、スマートフォンから視聴する場合は画質変更が出来ますが、テレビから視聴する場合はネットワーク帯域を自動判別して最適な画質で再生されます。

 

U-NEXT

U-NEXTが推奨する回線速度は1.5Mbpsから3Mbps以上となります。

 

  • パソコン
  • 標準画質:1.5Mbps以上
    高画質:3Mbps以上

  • スマートフォン・タブレット
  • 標準画質:1.5Mbps以上
    高画質:3Mbps以上

  • テレビ
  • 標準画質:1.5Mbps以上
    高画質:3Mbps以上

 

画質はフルHDだけでなく一部作品では4Kにも対応しており[最低画質][低画質][高画質]の3種類が用意されています。

画質 データ通信量
最低画質 1GBあたり約0.5時間
低画質 1GBあたり約4.5時間
高画質 1GBあたり約12時間

 

iOS、android、ブラウザで視聴する場合は画質を選択出来ますが、テレビで視聴する場合は画質の切り替えは行えません。

 

Netflix

Netflixで推奨されるインターネット接続速度は0.5Mbpsから25Mbpsとなります。

 

  • 0.5Mbps:ブロードバンド接続に必要な最低接続速度
  • 1.5Mbps:ブロードバンド接続に推奨される接続速度
  • 3.0Mbps:SD画質に推奨される接続速度
  • 5.0Mbps:HD画質に推奨される接続速度
  • 25Mbps:UHD 4K画質に推奨される接続速度

 

画質はSD、HD、UHD 4Kに対応しており[低][中][高]の3種類が用意されています。

サイズ 画質 データ通信量
- 1時間あたり0.3GB
SD画質 1時間あたり0.7GB
HD画質 1時間あたり3GB
UHD 4K画質 1時間あたり7GB

 

dTV

dTVの視聴で推奨される環境は0.5Mbpsから4Mbpsの通信速度となります。

 

画質はHDだけでなく一部コンテンツでは4Kにも対応しており[ふつう][きれい][すごくきれい][HD]の4種類が用意されています。

サイズ データ通信量
ふつう 30分あたり約75MB
きれい 30分あたり約120MB
すごくきれい 30分あたり約380MB
HD 30分あたり約760MB

4K作品の視聴には、有線もしくはWi-Fiの通信環境が必要になります。3G、LTE環境では4K作品を視聴する事は出来ません。

 

Amazonプライムビデオ

Amazonプライムビデオで推奨されるインターネット接続速度は900Kbpsから15Mbpsとなります。

 

  • SD(標準画質)で900Kbps
  • HD(高画質)で3.5Mbps
  • UHD(超高画質)で15Mbps

 

画質はSD(標準画質)、HD(高画質)、UHD(超高画質)、HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応しており[中][高][最高]の3種類が用意されています。

サイズ データ通信量(ダウンロード) データ通信量(ストリーミング)
1時間あたり約0.3GB 1時間あたり約0.6GB
1時間あたり約0.6GB 1時間あたり約1.8GB
最高 1時間あたり約0.9GB 1時間あたり約5.8GB

 

YouTube

YouTube動画を視聴するには500Kbps以上のインターネット接続が推奨されています。

 

画質 推奨通信速度
144p 0.3Mbps以上
240p 0.4Mbps以上
360p 0.6MBps以上
480p(SD) 1.0Mbps以上
720p(HD) 2.0Mbps以上
1080p(Full HD) 3.0Mbps以上
1440p(WQHD) 10Mbps以上
2160p(4K) 25Mbps~40Mbps
4320p(8K) 80Mbps~100Mbps

まとめ

通信速度にまつわる基礎知識や利用目的ごとに必要な通信速度やデータ通信量をご紹介させて頂きましたがいかがでしたでしょうか。

 

動画配信サービスを視聴するのには高速回線が必要だと思われている方も多かったかと思いますが、1920×1080ピクセルのフルHDで視聴する場合でも、5Mbpsもあれば快適に視聴する事が出来ます。

 

つまり、快適に視聴するだけなら、最大通信速度が1Gbpsである光回線にこだわる必要はなく、WiMAX2+やLTEでも十分に動画配信サービスを利用する事が出来ます。

 

ただし、WiMAX2+やLTEには、1ヵ月間または3日間に使えるデータ通信量に制限がある為、映画やドラマなど、長時間の動画配信サービスを視聴する場合には、データ通信量に制限がない光回線がおすすめです。